自社の業界がよくわかる就活学生向けガイドブック
今回は、新入社員採用活動用のツールづくりのお話しです。
どんなプロセスで制作していったのかをご紹介したいと思います。
クライアントは大阪に本社のある西尾レントオール株式会社様。
西尾レントオールさんは大手建機レンタルの一角で、業界のパイオニア的存在企業です。
今回のご依頼は、「新入社員の採用活動で使うためのツールを作る」です。
「どんな機能をもった、何をつくるか」を考える
総務人事部の採用担当の方にヒアリングしたところ、
そもそも学生にとっては西尾レントオールという会社というより、
建機レンタル業界自体があまり知られていないという事実がわかりました。
建設業界を志望していた学生が、就活中に建機レンタル業界のことを知って興味を持ち、
業界の中でもパイオニア的存在である西尾レントオールで働いてみようと思い、
選ぶということが結構多いとのこと。
であれば、就活を始めて間もない学生に対して、
まずは業界そのものを知ってもらうためのツールがあったほうが良いのでは?
という提案をしました。
就活を始めたばかりの学生を想定した採用ツール
お話を聞いていると、建機レンタル業界は一見地味で目立たない業界に見えるけれど、
実は世の中に大きな影響を持つ、スゴい業界らしいということがわかりました。
そしてそのスゴさをぜひ学生に知ってもらいたいという気持ちを持っておられました。
そもそも建機とは建設機械のことなんですね。
ショベルカーなどは見たことがある人も多いのではないでしょうか。
地面に穴を掘ったり大量の土砂をすくい取ったりするアレです。
建機レンタル業は、ショベルカーのような工事現場で使う建機を自社で保有し、
建設会社に貸し出すという事業をやっている会社のことです。
さて、ツールとして何を作るかですが
いくつかご提案をさせていただき、
最終的に決まったのが業界ガイドブックなる「小冊子」でした。

どんな冊子にするか?題名やサイズ、ページ数を考える
小冊子を作ることは決まったけど、タイトルどうしようかな。。。
建機レンタル業界って、業界としての実力は目立たない(地味だ)けど地味にスゴいから、
ジミスゴ辞典というタイトルにしたいなあとか考えました。
でも似たようなタイトルをネットで見つけてしまったのでやめて、
最終的には「超入門!建機レンタル業界GUIDE BOOK」となりました。
ここはあえてあまりひねってません。。
冊子のサイズやページ数ですが、
とにかく、時間をかけずに気軽にサラッと読めるようにしたいと考えました。
企業説明会などに来た学生たちに配って、
待ち時間などに目を通してもらうものを想定しています。
サラッと読めるけど、印象には残したい。。。
サイズは小さめが良いな~と思い、
仕上がりのサイズはB5を半分に折ったサイズのB6サイズ(128×182mm)に。
ページ数は16ページにしました。
コンテンツと表現方法を考える
さて、次に中身(コンテンツ)を考えていくわけですが、
同時にどうやってみせるか、表現するかも並行して考えます。
このガイドブックで就活学生に伝えたい内容について、西尾レントオールさんと数回の打合せを重ね、
このように決定しました。
◎建機レンタル業界ガイドブックを見た就活学生に伝えたいこと
-
- 建機レンタル業界のビジネスモデル(基本的な収益構造)
- 業界の社会的な意義(建設業界との関係性やどのように社会貢献しているか)
- 業界のトレンド(近年のマーケット状況、今後の予測)
- チャレンジ精神旺盛な学生にエントリーしてほしい!
これらの情報をわかりやすく、シンプルに載せることにしました。
制作にあたって最も気を遣ったというか、心がけた点はこんな感じです。
①文字量をできるだけ少なく、内容を簡潔にしてポイントをおさえて書く。
②あまり堅苦しくなく、親しみのある表現をすれば、学生になんとなくでも興味をもってもらえるのでは?
そのほか、こんなことも考えながら制作を進めました。
- イラストを使ってモノの流れとお金の流れを簡潔に表し、
ビジネスモデルが一眼でわかるようにしたい。 - 5分〜10分程度で読めて、大体の特徴を理解できるものにしたい。
- 内容を絞り、見た目にわかりやすくしたい。
- カジュアルなイメージにして親しみやすさを狙った。親しみやすいイラストを使う。
- 意欲的な学生に建機レンタル業界に興味を持ってもらい、最終的に西尾レントオールに応募してもらいたい。
- 業界内にはどのような会社があるのかといったことや、職種や年収についても記載したい思いもあったが、
まずは業界そのものを理解してもらうことが大事だと考え、割愛した。 - まずは就活の初期、業界研究を始めたような学生に読んでもらいたい。
つまり、イラストをつかって親しみやすく、内容もよりシンプルにして印象付ける。
これがゴールです。
あとはひたすらデザイン制作作業!
さて、いよいよデザインの制作過程です。
文字のレイアウトや装飾、手描きのイラストをデジタル化したりなどなど、、、
ひたすらMacに向かいます!
まずはラフを作成してクライアントに確認。
OKをいただければブラッシュアップして完成を目指します!
たとえば、制作過程のラフ案→完成デザインのいくつかはこんな感じです。ビジネスモデルのラフ図



デザインデータの完成後、印刷手配して納品となります。(写真は印刷物の一部抜粋)
最初ご依頼を受けた時、誰に向けたどんなものをつくったらいいんだろう?からはじまり、
漠然としたものからより具体的なものに仕上げていく過程のおおまかな流れをご紹介しました。
これはクライアント様との対話を重ねていく中で、徐々に見えていくものでもあります。
最初にお話をいただいてから途中ちょっと進行が停滞したこともあり
納品まで約5か月かかりましたが、大変やりがいのあるお仕事でした!
少しでも建機レンタル業界のことに興味を持つ学生が増えることを期待します。